熱交換器とは

<熱交換器>豆辞典

ちょっと耳慣れない、「熱交換器」ってどんなモノ?!その正体を少しだけ紹介しましょう!

エアコンには「熱交換器」が2つ!

熱交換器とは

固体、液体、気体を問わず、熱は高温から低温へ移る性質があります。この性質を利用して、効率的に熱を移動させる装置のことを「熱交換器」といいます。
熱交換器の働きでわかりやすいのが、エアコンです。

冷房時にエアコンは冷媒と呼ばれる「ガス」を使って、室内機の熱交換器で部屋の中の熱を奪い、室外機の熱交換器で大気に熱を放出します。
エアコンには室内機、室外機のふたつの熱交換器があり、熱を交換し続けることで冷風・温風が生まれるのです。そのほかにも冷蔵庫、自動車はもちろん、パソコンの半導体を冷やすためにもcm単位の小さな熱交換器が使われています。実はあなたの身近なところでも、さまざまな「熱交換器」が活躍しているのです。

液体や気体を「熱媒」「冷媒」とする!

熱交換器の原理・仕組み

液体や気体を「熱媒」「冷媒」とする!

熱交換器はチューブ状や板状の金属、樹脂などを介して、液体や気体を熱したり、冷やしたりすることで、さまざまな用途に使われます。

簡単な原理として例えば、一本の金属管に熱いお湯を通すと管の回りの空気は温められ、温度は上がります。逆に管の中のお湯は空気によって冷やされ、温度は下がります。

このような温度変化で生まれたエネルギーをしっかり集めることで、いろいろな形で効率よく利用できます。

このときの管の中のお湯のように、熱源となる(流体)のことを「熱媒」や「冷媒」と呼びます。
また、0℃以下でも凍らない「不凍液(ブライン)」とよばれる「冷媒」を循環させることで、熱交換器によって食品を冷凍することもできるのです。

加熱・冷却だけでない!

熱交換器の機能・用途

熱交換器の役割は温めたり、冷やしたりするだけではありません。

熱交換器の主な用途

加熱

代表的な熱交換器の用途です。

乾燥機能が付いた洗濯機が近年急激に増えていますが、それに使用されている熱交換器のレベルも数年来で格段に向上しています。

また、家庭でも使われるようになったオイルヒーターは、中のオイルを熱することで周りの空気を温めていきます。まさに熱交換器の形をむき出しにした形状をしています。
さらには、大きなゴミ処理場の近くに公営のプールが設けられているケースをよく目にします。ゴミの焼却熱を使って、温水に二次利用しているのです。

冷却

エアコンや冷蔵庫には必ず熱交換器が入っています。

さらには工場では、食品、電子、化学薬品、液晶など製造の分野を問わず、さまざまな冷却手段で熱交換器が活躍しています。

1℃単位の微妙な温度管理が必要な工程では、熱交換器の高度な機能が求められ、責任は重大です。

冷凍

不凍の冷媒を循環させることで0℃以下の空気を生み出し、生鮮食料品などを凍らせるのも熱交換器の
仕事です。
近年では冷凍食品のバリエーションの広がりはすさまじく、フリーズドライ製品も増加。冷凍倉庫など大規模な冷凍設備では、大型の熱交換器がフル稼働しています。

蒸発

液体を気体(蒸気)に変える熱交換器があります。
わかりやすいところではスーパー銭湯などにあるスチームサウナは、水を蒸気に変えて
熱気を作りだしています。

そして家庭で使っているガスは、天然ガスを採掘地で液体の状態に変え、大型船で運んできます。その液化ガスを蒸発させ気体の状態で家庭に届けるのに熱交換器が一役買っています。

凝縮

逆に気体(蒸気)を液体に変える熱交換器もあります。夏のジメジメした湿気をやわらげる除湿機は、熱交換器の働きで集中的に空気中の水分を冷却し、タンクに水が貯まるような構造になっています。

溶剤等の様々な成分が混ざったガスをその露点以下に凝縮し、必要な成分を「液体」としてを取り出す
「溶剤回収」も、熱交換器の仕事です。

熱交換器の構造は主に「2パターン」!

熱交換器の構造・種類

大きさ、形、構造、素材など、たくさんの種類がある熱交換器。
その中でも多く使われている構造のパターンが「チューブ式」と「プレート式」のふたつです。

チューブ式(チューブ型)

チューブ式(チューブ型)

一本のチューブ、すなわち「管」の中と外に別の流体を通すことで温度の違いを作り、温められた熱と冷やされた熱をそれぞれに利用する方式の、熱交換器です。
なかでも「シェル&チューブ型熱熱交換器」とよばれる多管式の熱交換器は、加熱、冷却などさまざまな使用方法で効率よく、最も広く使用されている熱交換器になっています。

シェル&チューブ型熱交換器は、さらに用途とふさわしい形状によって「固定管板式」「遊動管板式」「U字管式」などの種類に分類されます。

さらにチューブに金属などの「フィン」=羽を付属させることで、さらに熱効率のよい熱交換器を作ることができます。
この「フィンチューブ式熱交換器」は自動車に必ず入っている冷却装置「ラジエータ―」にも使われており、あなたの身近にある熱交換器です。

プレート式(プレート型)

プレート式(プレート型)

プレート式熱交換器とは、薄い金属板を波型に成形加工し、ガスケットを介してボルトで締め付け、各プレート間に流路を形成し、この流路に高温と低温の流体を交互に流す事で熱の受け渡しをする熱交換器です。
主に液体どうしの熱交換に用います。

シーテックの熱交換器は…

「熱交換器」と一言でいっても、熱を変化させる流体が気体なのか液体なのか、構造は?大きさは?など、その差が大きく、どの熱交換がベストなのかを判断するのは難しいはずです。

熱収支、圧力、温度、構造、規模などをコンサルティングしながら設計し、最適な熱交換器をご提案致します。
設置後のクリーンアップ、整備、部品交換など、アフターケアも万全です。

熱交換器に関する質問・お悩みは、経験豊富なシーテックまで、遠慮なくお寄せください。

 

 

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